子育てサロン 和空間わたことり
勝又 麗さん
東京都の公立保育園に保育士として32年間勤務。
自身が経験した“子育て”の不安から、いつかは子育て中のママ・パパをサポートできる居場所づくりをつくりたいという想いをもつ。2020年に多古町で子育てサロン『和空間わたことり』をオープンし、2023年から夫の出身地である多古町に移住する。現在は船橋市と二地域居住をしながら経営。
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Profile
第二の人生。子育て中のママ・パパに寄り添いたい
多古町で子育てサロンをはじめようと思ったきっかけはなんですか?
多古町に移住する前は、船橋市に住みながら都内にある公立保育園で32年間保育士として勤めていました。
若い頃は、結婚して子どもが生まれ、子育てに仕事と、毎日慌ただしい暮らしをしていましたが、子どもたちも独り立ちして、そろそろ保育士としての定年が先に見えた頃、コーチングを受けてみたんです。
私自身の人生を振り返ると、初めて妊娠したとき、出産したとき、子育てしたときは、それぞれの時期が不安でいっぱいだったことを思い出して、第二の人生は、子育てをしている方やこれから子育てをする方に寄り添った子育てサロンをつくりたいと思ったんです。
子育てサロンは、自然がいっぱいで、子どもたちが伸び伸びできる場所でと思い、多古町に決めました。
この場所でママ・パパにリラックスしてもらい、子どもたちと向き合える時間をつくりたいと思い、2020年に“和空間わたことり”をオープンしました。
親と子の時間を大事にする場所
“和空間わたことり”ではどんなことができるんですか?
“わたことり”は主に親子で一緒に過ごしてもらうオープンスペースとして使える場所となっています。
オープンは10時からですが、お昼まで遊んで帰る親子さんもいれば、一緒にお弁当を食べて、午後も遊んでいく親子さんもいます。
ママ・パパ同士も自然に声を掛け合って、子育ての悩みや世間話をしていたり、ちょっとしたコミュニティが出来ていますね。
もちろん私もママ・パパから何か相談があればお答えしていますが、“こうした方がいい”“ああした方がいい”といった決めつけた言い方はしないようにしています。あくまでも“親子の時間”なので、簡単なアドバイスと思ってお話をさせてもらっていますし、親子にしかわからないこともあるので、肩の力を抜いてゆったりとストレスなく過ごしてもらうことを心がけています。
ほかにも、レンタルスペースがあるので、講師の方を招いて、子育てや生活に役立つセミナーやワークショップやお話会などを定期的に開催しています。
また、私の娘が船橋市で量り売りショップ〈Reeha〉を経営しているのですが、わたことり内にもReeha多古町店として、2024年1月にオープンしたりと、来ていただいた方に楽しんでもらえるような取り組みを色々と行なっています。
たんぽぽの“わた”のように地域で子を守り、育てる
多古町でサロンをはじめて良かったことはなんですか。
多古町には夫の両親の実家がありますし、今は移住もしていますから、ふるさとのような気持ちでいられますね。
私も子どもたちも美味しい多古米が大好きですし、稲穂が綺麗な田園風景もお気に入りです。
“わたことり”は飯笹地区にありますが、ご近所の方もオープンしたことを気にかけてくださって心強いです。今は、子育てを中心としたサロンやワークショップなどを行なっていますが、今後は、地元の方もふらっと気軽に来れるようなカフェや地域のコミュニティスペースをつくっていきたいと思っています。
“わたことり”の名前の”わた“は、ふわふわの綿(わた)が、中の種を大切に守っているように、地域のたくさんの大人で一人の子どもを大切に見守りましょうよという想いでつけました。子育ては親と家族だけでできることではありません。たくさんの人と関わることで、人間として成長していくものだと思っています。
多古町は、人との関わり合いが深く、人が温かくて“わたことり”がスタートするのにぴったりな“まち”でした。
これからも、もっとたくさんの子育てママ・パパに『こんな場所があるんだよ』ということを知って欲しいですし、色んな方に気軽に遊びに来てもらえる居場所にしたいと思っています。